働くことと結婚生活の共通点(「恋」が「愛」に変わる的な)
最近、新卒採用活動の一環で学生の方々とお話をしていく中で、(ベンチャーで)働くことと結婚生活が似ているなぁと思うことがよくある。
特に以下の3つなんかは、けっこう重要な共通点だと勝手に考えている。
①恋が愛に変わる
品川調べによると、結婚している夫婦の8割は「恋→愛」の順番をたどっている。はじめは
「あなたの全てが大好き!!フォーリンラブ!!!」
というキャンプファイヤーよろしく、感情(=恋)が燃え上がってる時期があって、そこからだんだん、
「炭火で焼くと中までほっこり火が通るんですよ~」
というような、備長炭の赤外線的な感情(=愛)に移り変わっていく。
恋をしている時は、相手の美しい所や良い所ばかりが目に入ってくる。(「あばたもえくぼ」状態)
そして、相手の弱い所やダメな所まで全部ひっくるめて包み込めるようになったら、それは恋が愛に変わってきた証だ。(「あなたのあばたは私のあばた」状態)
働くことも、これと似ている場合がある。
課題を含めて自分の会社を好きだと言えるようになれば、ベンチャーで働くことの醍醐味をだいぶ味わえている状態だと思う。
②全ての行動がメッセージになる
以前、こんな記事を読んだことがあった。
https://m.huffingtonpost.jp/matthew-fray/divorced-me-because-i-left-dishes-_b_9147624.html
流しに置きっぱなしにされた、洗っていないコップ
ーー結婚生活において、時にそれは強烈なメッセージとして受け取られる。
それは、
「本来、家事は全て妻が行うべきものであり、私もその信念に従う者である」
というメッセージとして受け止められる場合もあれば、
「私は、家庭よりも仕事を優先する人間であり、『コップを洗う数秒』よりも、『仕事のために使う数秒』の方が大切である」と受け止められる場合もある。
そのようなメッセージは外壁に染み込む雨水のように、夫婦関係を浸食していく。
これはちょっと大げさな例だけど、結婚生活においては、夫婦それぞれの一挙手一投足(すること/しないこと)が、相手に対するメッセージになる。
会社における意思決定や経営者の言動についても、これに近いことが言えると思う。
深夜まで残って働いている社員に「遅くまでお疲れ様」と言えば、それは他の社員には、「ここは長時間働かないと評価されない会社である」というメッセージになるかもしれない。
全員参加の懇親会を就業時間後に開催すれば、それは、時短社員や就業後に急いで帰宅しなければいけない社員には、「就業時間後にある懇親会に参加できる人でないと、この会社では仲間として受け入れられない」というメッセージになるかもしれない。
考えすぎかもしれないが、こういうことは往々にしてある。
会社経営においても、あらゆる行動や判断が、社員に対するメッセージになる。
そして、会社においても結婚においても、受け取られるメッセージは、それまでの「文脈」によって決まる。
③ルール(管理)よりも信頼でつながる
結婚生活は、「相手を管理するためのルール」がたくさんあるとあまりうまくいかない。(2人がストレスなく生活するための「約束事」くらいはいいけど)
細かなルールで縛るより、大きな信頼感を紐帯とした方が、良質な関係性が生まれる。
会社の経営もきっと同じだ。
ルールが増えれば増えるほど、それを「守る」にも「守らせる」にもエネルギーが必要になる。そのエネルギーは「ルールを守る/守らせる」ためのエネルギーであり、事業成長とは無関係の場合も多い。
仲間の力を100%引き出すためには、信頼を基礎に、ルールは最小限度に絞ったほうがいい。
・・・長々書きましたが、「仕事の経験は結婚に活きるし、結婚の経験は仕事に活きる」というのが、今日の結論です(笑)