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ググッと考える!

大手法律事務所の弁護士から株式会社LiBに移籍! https://www.libinc.co.jp

「大手法律事務所→ベンチャー」、4ヶ月で僕が一番戸惑ったこと

 

弁護士300人以上を擁する法律事務所からLiBに移って4ヶ月が経ち、改めて「弁護士として働くことと、ベンチャー企業で働くことの一番の違いは何だろう?」と考えてみた。これは、「この4ヶ月間で、自分が最も戸惑った(適応するのに苦労した)点は何か」という問いでもある。

結論から言うと、僕が一番苦労したのは、「速さ(スピード)」と「成功・失敗」に対するスタンスの違いだ。
様々なケースがあるのであまり一般化して語ると誤解があるのかもしれないけど、象徴的に言えば、両者には次のような違いがあると思う。

 

弁護士

「失敗しない」ことは弁護士にとって不可欠な素養である(「失敗する」弁護士は弁護士失格である)。もちろん、仕事は速ければ速いほど良い。

 

ベンチャー

「スピード」は正義である。「成功」も「失敗」も、早く経験するべきである。

 

※           ※           ※

 

弁護士の場合、まず「失敗しないこと」が仕事の絶対条件になる。彼らに失敗は許されない。
弁護士が依頼者に誤ったアドバイスをすれば、依頼者を違法行為に導きかねない。また、弁護士が裁判でミスをすれば訴訟が不利に進展するし、契約書の内容に見落としがあれば、契約自体が無効となるおそれすらある。


「95%正しいけれど、5%のリスクがある」という場合に、時間をかけて5%のリスクを潰していくのが弁護士の仕事だ。それを疎かにする人間に、弁護士は務まらない。
もちろん弁護士にとっても仕事の速さは重要な能力だが、それは「正確性(失敗しないこと)」という基礎的な能力の上に乗っかるオプション的な価値ということになる。

他方で、ベンチャー企業の行動規範はこれと大きく異る。
「95%正しいけれど、5%のリスクがある」という場合、LiBでは「じゃあやろう!」という結論以外にはありえないと思う(笑)
5%のリスクが顕在化しそうになったら、その時に対策を考えればいい。むしろ、その「5%」を回避するために、決断や実行の着手が半日、1日と遅れてしまう方がリスクだ。

また僕たちにとって、「成長=失敗数×成功数」といえる。だからできるだけ多く失敗と成功を経験するためにも、スピードが重要になってくる。

※           ※           ※

以上をまとめると、↓こんな感じだろうか…(家の絵のつもりです)f:id:kshinagawa:20161217105044p:plain

弁護士は「正確性」が基礎となり、+αの能力として「スピード」が求められる。
ベンチャーだと「スピード」が基礎となり、+αの能力として「成功確率の高さ」が求められる。

LiBに入りたての頃は、ここで述べたような「速さ」と「成功・失敗」に対する意識の違いに戸惑った。あらゆる情報を「把握」してから行動に移そうとしていると、他の人より10手も20手も遅れをとった。
行動しながら把握する、行動してから把握する、社員がそういうマインドで行動量を増やしていかないと、生き残れない世界だった。


自分の場合、これまでの思考のクセが抜けきっているわけではないけれど、最近は、「どれが速いか」が行動選択の重要なファクターになってきた。

もう少しすれば、もっとこの考え方が染み付いてくるかな?…と思っている。

 

【部下として、上司として】「体験」を「経験」に昇華する

 

僕たちは日々の仕事の中で、様々な「体験」をしている。

・お客様に「ありがとう」と言われる
・営業が成功して新しい案件を受注する
・自分が推進したプロジェクトが失敗に終わり、関係者に謝罪する
・飛び込み営業先でお客様に怒鳴られて追い返される
・考えの甘さを上司に叱られる


これらは全て、仕事上の「体験」だ。

人が生きている限り、外界から絶え間なく「刺激」が飛び込んでくる。
その刺激に対して、人の内面では刻々と「感情」が生まれては消えていく。

誰かに感謝されたり新規案件を受注できたら嬉しいし、
誰かに怒られたり叱られたりしたら、悔しいし悲しい。

こう考えると、体験の本質は外界からの刺激と、それにより発生する感情だということができる。 

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※      ※      ※

 

ところで、社会人になって間もない人や、(僕のように)全く異業種の仕事を始めた人は、仕事の中でうまくいかないこと、失敗することも多いと思う。
そこで重要になってくるのが、「体験を経験に昇華する力」だ。

僕の理解では、「経験」とは「体験に自分なりの意味を付与したもの」ということになる。

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例えば、営業に失敗してお客様に追い返され、上司にも怒られた時に、
「辛いよぉ。おれは何てダメなんだ…」とヘコんでいるのが「体験」のレベルだとすると、
「この悔しい体験は、自分の人生や目標にとってどんな意味を持つんだっけ?」と考えてみるのが、「経験」のレベルだ。

刺激や感情はすぐに消え去り、体験は一過性のもののであるのに対し、経験は僕たちの中に蓄積されていき、やがて人生の勝率を上げるための肥やしになる。

体験を経験に昇華するためには、自分がその仕事をしいることの意義や目標から振り返ってみたり、10年後にその体験をどんな「笑い話」として語れるかを考えてみるのがよいと思う。


つまり、「体験」を少し離れたところから眺めてみれば、そこに「意味」が生まれ、単なる体験が「経験」へと昇華する。


※      ※      ※


この「体験を経験に昇華させる力」は、人を育てるためにも必要とされる力だと思う。新人や部下の失敗(体験)が持つ意味について示唆を与えることができれば、彼らが過度に近視眼的になりマイナスの感情に支配されることもない。

LiBに入ってよかったと思うことの一つは、成功や失敗の体験が自分や組織にとってどんな意味を持つのかについて、しつこいくらいにフィードバックがもらえることだ。
そういう環境に身をおくことができているのは、とてもうれしいなと思っている。

【意外とすごいコーチング技術】相手に気づきを与え「会話価値」を高めるオートクライン

 

今日は、ある会話により各話者が得るメリット(情報や気づき)の総量を仮に「会話価値」と呼ぶ場合、日常の会話価値を高めるための武器になる考え方について書いてみようと思う。
(僕はコーチングを体系的に学んだわけではないけれど、日常の中で色々試してみているので、そこでの発見を少しずつ書いていきたい。)
 
 
※        ※        ※
 
 
さて、「オートクライン」という言葉、ご存知だろうか?
 
コーチングでは超基本的な理論で、自分が話した言葉を自分で聞くことにより、自分の考えに気づくことをオートクラインというそうだ。(もともとは医学用語らしい。)
 
すなわち、ホルモン分泌には、
 
①1つの細胞が出したホルモンが他の細胞に作用するラクライと、
②1つの細胞が出したホルモンがその細胞自体に作用するオートクラインという、
 
二つの形態がある。
 
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これを人と人との会話にあてはめると、
 
①AさんがBさんに話をすることで、BさんがAさんの考えを理解するのがラクライにあたり、
②AさんがBさんに話をすることで、Aさんが自分の考えに気づくのがオートクラインにあたる。
 
 f:id:kshinagawa:20161009100820j:imagef:id:kshinagawa:20161009100827j:image 
AさんがBさんに話をするとき、Aさんは自分でも自分の声やアイデアを聞いている。
そのため、Aさんは自分が本当に欲していることに気づいたり、それまで言語化されておらず未整理だった情報を、整然とした言葉に落とし込んだりすることができる。
これが、コーチングでいうところのオートクラインだ。
 
 
※        ※        ※
 
 
Aさんがコーチングを受ける場合、コーチはAさんとの会話を通して、オートクラインによりAさんの無意識を顕在化させることを目指す。 
そのための大きな武器の一つが、「質問」だ。
 
ラクラインを引き起こすため、コーチは「広げる質問」「深める質問」をする。
例えば、Aさんが「私、初対面の人と楽しく会話することだけは昔から得意なんですよね」と言ったとき、「他に得意なことは?」と聞くのが「広げる質問」、「なぜそれが得意なんだと思う?」と聞くのが「深める質問」だ。
 
そして時々、コーチは意図的に「強い質問」をぶつけることでAさんの意識に揺さぶりをかける。
例えば、「で、結局Aさんは何がしたいの?」「Aさんの人生で絶対に失いたくないものを一つ挙げるとしたらそれは何?」といった感じで。
「強い質問」が奏効すると、Aさんのオートクラインは一気に加速する。
 
 
※        ※        ※
 
 
誰かに人生相談をされた時はもちろんだけど、営業先で商談をする際や、上司や先輩にアドバイスを受けている時なども、できるだけ「自分が相手のオートクラインを引き出してやる!」という意識で質問を投げかけるようにしている。
会話をしている両者にとって会話価値の高い時間になればいいなーと思っているのだけど、なかなか難しい。
 
ミヒャエル・エンデ「モモ」みたいになれたら素敵だ。

悩みを突破するために、価値観を「ことば化」する 

 

最近、自分が「こうなりたい」と思う姿と現実の姿が一致していないことに悩んでいる人の真剣な話を聞く機会が何度かあった。僕も学生の頃からずっとそんな問題に悩んできたので、気持ちが痛いほどわかった。
僕は、そんな悩みを突破するために、まず自分の理想像、すなわち価値観を「ことば化」する作業をしてみるといいんじゃないかなと思っている。

ここで言う「価値観」とは、
「どんな人生を生きたいか/どう死にたいか」という問いに対する答えであり、
自分にとって不可欠かつ最も根源的な欲望であり、
人生における選択の基準である
といえる。

「将来◯◯をしたいなー、◯◯になりたいなー」という思いに対して、「それはなぜ?」という問いを繰り返した時に、それ以上遡ることができない「答え」が、価値観にあたる。

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※         ※         ※

そして、「ことば化」とは文字通り、フワフワとした考えを具体的な「ことば」に落とし込む作業だ。

ここでのポイントは2つある。

一つは、「それはなぜ?」という問に対して、「だってそう思っちゃうんだから仕方ないじゃん!!」と開き直れるくらいの「根源的な」欲望を探すことだ。

例えば、「食糧問題に取り組む国際機関の職員になりたい」という思いがある時、「それはなぜ?」と聞かれたら、人によって色々答えはありそうだ。
こんな場合には、もう何回か「なぜ?」を繰り返していってはじめて、自分の価値観にたどり着くことができる。

もう一つは、自分の根源的な欲望を、過不足無く「ことば」に落とし込むことだ。

ある一つの目標だけで人生100%満足という人は少なく、仕事、趣味、友だち、家族、お金、ライフスタイルにまつわることなど、欲望はいくつかあるのが普通だろうと思う。
「その価値観が満たされれば、自分は100%満足して死ねるか」を考えてみて、自分の持っている価値観を全て「ことば化」するよう努める必要がある。

他方で、人生の満足にとって不可欠な欲望以外は価値観になりえない。
僕たちはみな、素晴らしい才能があって、社会から賞賛されて、愛する家族や友人がいて、お金もたくさんあって…という人生に憧れる。
ただその中でも、「自分の人生にとって不可欠な欲望はどれか」という観点から、余分な欲望を削ぎ落としていく必要がある。
最後に残った「何か」が、真の価値観ということになる。

※         ※         ※


前のブログでも書いたとおり、以上のような作業で僕がたどり着いた価値観は、

①大きな事をすること(あるべき未来に対して大きく貢献すること)
②オリジナリティ溢れる、自分だけの人生を歩むこと
③心がやさしい人でいること
④家族を大切にすること 

という4つだった。

今の僕が、本当の意味での自分の価値観を見つけられているのかはわからない。でも重要なことは、常に自分の価値観を「ことば化」する努力をし続けることだ。

そして、暫定的なものでいいので、「ことば化」した価値観を自分の中心に置いてみて、それに照らして選択・決断・行動することが大切だと思う。

次は、価値観の見つけ方や、価値観を「ことば化」することの具体的なメリットについて書いてみたいと思う。

 

一流の営業パーソンは、美容室でどんな話をしているのか?

 

皆さんは、美容室で髪を切ってもらっている間、美容師さんとどんな話をしていますか?
人によっては「何の話をすればいいんだろう?」と戸惑うこともあって、そのストレスがないために「10分カット」のQBハウスが躍進しているなんて話も聞きますね。
↓今日はそんな話題です。
 
 
※          ※          ※
 
 
先日、髪を切る時にふと、「営業で結果を残している人たちは、美容室でどんな話をしているのだろう?」という問いが頭をよぎった。
そして「もしかすると、トップの人たちは美容室にいる時間さえも営業力向上のために使っているのでは?」と思いつき、早速その方法を考えてみることにした。
 
営業が顧客と商談をする場合、以下のとおり、顧客の満足度を①会話の満足度と、②提案の満足度とに分けることができるとする。
 
【顧客の満足度】
①会話の満足度
営業と一緒にいて楽しい時間を過ごすことができたか
 
②提案の満足度
顧客の抱える課題に対して、営業が魅力的な解決策を提案できたか
 
①が高くて②が低いと、「良い人と出会えてよかったけど、うちには不要だな」となり、
②が高くて①が低いと、「良いサービスだけど、あの人から買うのは不安だな…」となってしまう。
 
では、日々の商談で①と②の「満足度」を上げるため、僕は美容室で何ができるだろうか?
美容師さんを商談のお相手と見立てて、トレーニングしてみることにした。
 

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※          ※          ※
 
 
①会話の満足度Upのトレーニング
まず、会話の満足度を図る指標として、相手が「どれくらい深い自己開示を行ってくれるか」という基準を置いた。
そして、「髪を切ってもらう間に、美容師さんからどこまで深いプライベートの話を引き出せるか」という目的意識で会話を進めた。
 
…結果としては、普段よりは美容師さんのプライベートを色々と聞き出せた。
 
ここで書ける範囲で言うと、一流の美容師でありながらDJとしても活躍する内田聡一郎さんという方に憧れていることとか、ショートカットよりもロングヘアーの女性の方が好きとかいうことを聞くことができたのは、ちょっとうれしかった。
 
次回は、普通は聞きづらいような質問(ゴール)を決めて、「60分間の中でコレを聞き出すことができるか?」というある種のゲームに挑戦してみたいと思う。
 
②提案の満足度Upのトレーニング
次に、美容師さんの抱えている課題を把握した上で、僕がそれに対して「魅力的な解決策」を提案できるかということも、試してみた。
すると、弱冠23歳の美容師さんは、驚くほどしっかりと、以下のような課題感を語ってくれた。
 
(課題感)
・現在、美容室の集客は「ホット・ペッパー」に依存するところが大きく、ホット・ペッパーに掲載してもらえないと集客がほとんど不可能となるような状況である
→美容室の立場がどんどん弱くなり、このような状況による弊害も大きい
 
・飲食店の場合、「食べログ」のユーザーは、お店の雰囲気・その時の食事のシーン(目的)・価格帯・料理の好み…など、様々な軸でお店を探すが、他方で、美容室はにそのように多くの判断軸があるわけではない
→美容室は低価格競争に走らざるをえず、苦しい状況に陥っている

 

…なるほど、意外と深いところまで語ってくれた!(笑)
ただ、この課題感に対するうまい解決策を提案することができなかったのはとても残念…。次来る時にはぜひリベンジしたい!
 
美容室の美容師さんに限らず、スーパーのレジの人でも、タクシーの運転手さんでも、誰かと話す時はいつでも営業力Upのトレーニングができる。
そう考えると、日々勉強できて面白いな―と思った。