魅力的な人物に共通する「大きな心」と「小さな心」とは?
多くの人を惹きつける魅力的な人には、共通点があると思う。それは大きな心と小さな心という、2つの「心」を持っていることだ。僕はこの2つの心を持つ人に憧れ、自分もそうなりたいと強く願っている。
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「大きな心」とは何だろう?それは、夢や希望を持つ心、志や使命感を持つ心だ。「野心」と言い換えてもいい。遥か彼方に定めた目標を目指して、一歩一歩進んでいく原動力となる心だ。
当たり前かもしれないが、「大きな心」は大きければ大きいほどいい。宇宙のように、際限なく広がっていく方がいい。それまで誰も思いつかなかったでっかい夢を掲げ、壮大な物語を真剣に語れる人は、ただそれだけで人の心をぐっと引き寄せる。
では、「小さな心」とは何だろう?それは、感謝する心、喜びを感じる心だ。
あたたかい布団や一杯の白飯に感謝し、道端に咲く小さな花や季節ごとの虫の音色に喜びを感じるためには、「小さな心」が必要だ。そもそも、自分を支えてくれる有形・無形の「財産」に気づけなければ感謝はできないし、日常生活の中に幸せの欠片がたくさん落ちていることに気づけなければ、喜びを感じることもできない。
「小さな心」は、小さければ小さいほどいい。たった一滴の水で満たされる匙のように、「小さな心」はちっちゃくなければならない。小さければ小さいほど、それはすぐに満たされ、感情が心の中から溢れてくる。そこから溢れ出た幸せを、周りの人は分かち合うことができる。
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あえて嫌な言い方をすれば、「小さな心」を持たずに「大きな心」だけを持つ人は、虚しき英雄だ。誰もそんな人の側にいたいとは思わないし、その人のために力を尽くしたいとも思わない。
反対に、「大きな心」を持たずに「小さな心」だけを持つ人は、人畜無害な小市民だ。彼の話を聞いて心躍ることはないだろうし、彼が僕たちの人格や能力を引き上げてくれることもないだろう。
だから、魅力的な人には2つの心が共に必要なのだ。大きな心はより大きく、小さな心はより小さく。日々それを心がけることによって、僕たちも魅力的な人物に近づいていくことができるような気がする。
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金子みすゞさんの「こころ」という詩を読み返してみて、以上のようなことを考えた夜でした。
「こころ」(金子みすゞ)おかあさまはおとなで大きいけれど、おかあさまのおこころはちいさい。だって、おかあさまはいいました、ちいさいわたしでいっぱいだって。わたしは子どもでちいさいけれど、ちいさいわたしのこころは大きい。だって、大きいおかあさまで、まだいっぱいにならないで、いろんなことをおもうから。