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大手法律事務所の弁護士から株式会社LiBに移籍! https://www.libinc.co.jp

悩みを突破するために、価値観を「ことば化」する 

 

最近、自分が「こうなりたい」と思う姿と現実の姿が一致していないことに悩んでいる人の真剣な話を聞く機会が何度かあった。僕も学生の頃からずっとそんな問題に悩んできたので、気持ちが痛いほどわかった。
僕は、そんな悩みを突破するために、まず自分の理想像、すなわち価値観を「ことば化」する作業をしてみるといいんじゃないかなと思っている。

ここで言う「価値観」とは、
「どんな人生を生きたいか/どう死にたいか」という問いに対する答えであり、
自分にとって不可欠かつ最も根源的な欲望であり、
人生における選択の基準である
といえる。

「将来◯◯をしたいなー、◯◯になりたいなー」という思いに対して、「それはなぜ?」という問いを繰り返した時に、それ以上遡ることができない「答え」が、価値観にあたる。

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※         ※         ※

そして、「ことば化」とは文字通り、フワフワとした考えを具体的な「ことば」に落とし込む作業だ。

ここでのポイントは2つある。

一つは、「それはなぜ?」という問に対して、「だってそう思っちゃうんだから仕方ないじゃん!!」と開き直れるくらいの「根源的な」欲望を探すことだ。

例えば、「食糧問題に取り組む国際機関の職員になりたい」という思いがある時、「それはなぜ?」と聞かれたら、人によって色々答えはありそうだ。
こんな場合には、もう何回か「なぜ?」を繰り返していってはじめて、自分の価値観にたどり着くことができる。

もう一つは、自分の根源的な欲望を、過不足無く「ことば」に落とし込むことだ。

ある一つの目標だけで人生100%満足という人は少なく、仕事、趣味、友だち、家族、お金、ライフスタイルにまつわることなど、欲望はいくつかあるのが普通だろうと思う。
「その価値観が満たされれば、自分は100%満足して死ねるか」を考えてみて、自分の持っている価値観を全て「ことば化」するよう努める必要がある。

他方で、人生の満足にとって不可欠な欲望以外は価値観になりえない。
僕たちはみな、素晴らしい才能があって、社会から賞賛されて、愛する家族や友人がいて、お金もたくさんあって…という人生に憧れる。
ただその中でも、「自分の人生にとって不可欠な欲望はどれか」という観点から、余分な欲望を削ぎ落としていく必要がある。
最後に残った「何か」が、真の価値観ということになる。

※         ※         ※


前のブログでも書いたとおり、以上のような作業で僕がたどり着いた価値観は、

①大きな事をすること(あるべき未来に対して大きく貢献すること)
②オリジナリティ溢れる、自分だけの人生を歩むこと
③心がやさしい人でいること
④家族を大切にすること 

という4つだった。

今の僕が、本当の意味での自分の価値観を見つけられているのかはわからない。でも重要なことは、常に自分の価値観を「ことば化」する努力をし続けることだ。

そして、暫定的なものでいいので、「ことば化」した価値観を自分の中心に置いてみて、それに照らして選択・決断・行動することが大切だと思う。

次は、価値観の見つけ方や、価値観を「ことば化」することの具体的なメリットについて書いてみたいと思う。

 

一流の営業パーソンは、美容室でどんな話をしているのか?

 

皆さんは、美容室で髪を切ってもらっている間、美容師さんとどんな話をしていますか?
人によっては「何の話をすればいいんだろう?」と戸惑うこともあって、そのストレスがないために「10分カット」のQBハウスが躍進しているなんて話も聞きますね。
↓今日はそんな話題です。
 
 
※          ※          ※
 
 
先日、髪を切る時にふと、「営業で結果を残している人たちは、美容室でどんな話をしているのだろう?」という問いが頭をよぎった。
そして「もしかすると、トップの人たちは美容室にいる時間さえも営業力向上のために使っているのでは?」と思いつき、早速その方法を考えてみることにした。
 
営業が顧客と商談をする場合、以下のとおり、顧客の満足度を①会話の満足度と、②提案の満足度とに分けることができるとする。
 
【顧客の満足度】
①会話の満足度
営業と一緒にいて楽しい時間を過ごすことができたか
 
②提案の満足度
顧客の抱える課題に対して、営業が魅力的な解決策を提案できたか
 
①が高くて②が低いと、「良い人と出会えてよかったけど、うちには不要だな」となり、
②が高くて①が低いと、「良いサービスだけど、あの人から買うのは不安だな…」となってしまう。
 
では、日々の商談で①と②の「満足度」を上げるため、僕は美容室で何ができるだろうか?
美容師さんを商談のお相手と見立てて、トレーニングしてみることにした。
 

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※          ※          ※
 
 
①会話の満足度Upのトレーニング
まず、会話の満足度を図る指標として、相手が「どれくらい深い自己開示を行ってくれるか」という基準を置いた。
そして、「髪を切ってもらう間に、美容師さんからどこまで深いプライベートの話を引き出せるか」という目的意識で会話を進めた。
 
…結果としては、普段よりは美容師さんのプライベートを色々と聞き出せた。
 
ここで書ける範囲で言うと、一流の美容師でありながらDJとしても活躍する内田聡一郎さんという方に憧れていることとか、ショートカットよりもロングヘアーの女性の方が好きとかいうことを聞くことができたのは、ちょっとうれしかった。
 
次回は、普通は聞きづらいような質問(ゴール)を決めて、「60分間の中でコレを聞き出すことができるか?」というある種のゲームに挑戦してみたいと思う。
 
②提案の満足度Upのトレーニング
次に、美容師さんの抱えている課題を把握した上で、僕がそれに対して「魅力的な解決策」を提案できるかということも、試してみた。
すると、弱冠23歳の美容師さんは、驚くほどしっかりと、以下のような課題感を語ってくれた。
 
(課題感)
・現在、美容室の集客は「ホット・ペッパー」に依存するところが大きく、ホット・ペッパーに掲載してもらえないと集客がほとんど不可能となるような状況である
→美容室の立場がどんどん弱くなり、このような状況による弊害も大きい
 
・飲食店の場合、「食べログ」のユーザーは、お店の雰囲気・その時の食事のシーン(目的)・価格帯・料理の好み…など、様々な軸でお店を探すが、他方で、美容室はにそのように多くの判断軸があるわけではない
→美容室は低価格競争に走らざるをえず、苦しい状況に陥っている

 

…なるほど、意外と深いところまで語ってくれた!(笑)
ただ、この課題感に対するうまい解決策を提案することができなかったのはとても残念…。次来る時にはぜひリベンジしたい!
 
美容室の美容師さんに限らず、スーパーのレジの人でも、タクシーの運転手さんでも、誰かと話す時はいつでも営業力Upのトレーニングができる。
そう考えると、日々勉強できて面白いな―と思った。

【営業1ヶ月目】8月の反省&9月のテーマ(なりきろう!工夫しよう!磨き込もう!)

 

8月が終わり、LiBで営業というものを始めて1ヶ月が経ったことになる。
とっても楽しかったけれど、なかなかタフな1ヶ月で悔しいことも多かった。
というわけで、9月の巻き返しに向けて反省会!
 
 
【8月の反省】
自信を持って走れる戦略なきまま、首をかしげながら走り続けてしまった。
立ち止まる勇気が持てなかった。
 
自分の中で、8月のテーマは「量とスピード」だった。
人より速いスピードで人より多くの量をこなすことで、成功体験・失敗体験を積み重ね、結果的に勝率を上げることを目標に置いていた。
 
そもそも「量とスピード」が十分だったかという問題はあるものの、それより何より、そこに戦略も思考もなかったのが問題だった。
 
試行錯誤を繰り返すという姿勢はよかったけど、結局たくさんの「思いつき」が場当たり的に出てきただけだった。
そして最後には、思考停止状態でとりあえず走り続けていた…
 
その結果、「効率の悪い方法を長時間やり続ける」という負け戦にずぶずぶとはまっていってしまった。
例えると、一番軽いギアのままで自転車を全力でこぎまくっている感じ。全然前に進まない!(笑)
 
一度自転車を降りてみてその構造を理解し、適切なギアに切り替えてもう一度走るという勇気はなかった。
ギアが合っていないと気づきつつも、止まるのが怖かった。
 
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【9月のテーマ】
①なりきろう!
②工夫しよう!
③磨き込もう !
 
8月の反省を踏まえ、9月はこの3つのテーマで走ってみようと思っている。
 
①なりきろう!
お客様の立場になりきってみよう。お客様と「シンクロ」しよう。
想像力がフル回転だ。
その企業やお客様は、何に困っているのだろう?今、何を感じているのだろう?
自分がお客様だったら、どんな人と一緒に仕事をしたいと思うだろう?
 
②工夫しよう!
営業の「はじまりから終わり」の各ステップにおいて、考えられる限りの「工夫」をしよう。
人と同じことはやらない。
人と違うことをしよう。
無限に広がる創意工夫の可能性が、営業の醍醐味だ。
 
③磨き込もう!
きっと、イチローはたくさん素振りした。
一振り一振り、微修正を加えながら、たくさんバットを振ったんだろうと思う。
僕も、それぞれのステップにおけるあらゆる言動を、細かな粒度で磨き込もう。
自分の一挙手一投足が、お客様に対するメッセージだ。
 
9月の終わり、どんな自分になれているか楽しみだ。
夏が終わっていくのは寂しすぎて涙出そうになるけれど、がんばろー!
 
 
 

新人が身につけるべき「◯◯力」〜なぜ弁護士出身の僕が営業をやるのか?〜

 

弁護士だけで300人以上を擁する大手法律事務所で新人弁護士として働いた後、設立2年半のベンチャー企業に入り、新人営業パーソンとして働いている…そんな僕が感じた新人に求められる力の一つが、「意味づけ力」だ。

「意味づけ力」とは、目の前の仕事に自分なりの「意味」を付与する能力のことだ。

・なぜ、意欲あふれる新卒社員として有名企業に入った自分が、コピー取りや資料整理ばかりやらなくてはいけないのか?
・なぜ、一生懸命勉強して大手法律事務所に入った自分が、判例検索や書面の形式チェックに一日を費やさなければいけないのか?
・なぜ、経営者になることを目指してベンチャー企業に入った自分が、営業(外回り)から始めなくてはいけないのか?


「新人だから」という理由で任されがちな仕事は多い。
しかし、上司・先輩が「新人だから」という理由で何となく決まった仕事を与えている世界には、学びも成長もないと思う。
仕事をする自分が、能動的に意味を付与しなければならない。

「まず誰でも下積みから始まるのだから、与えられた仕事に一生懸命取り組もう!」という姿勢も悪くはないが、それはある種の思考停止だ。
与えられた仕事を盲目的にこなし続ける人と、そこに「意味」を付与して目的意識を持って仕事を遂行する人とでは、成長スピードに天地の開きができる気がする。

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そして、 仕事に付与すべき「意味」は、自分の「価値観」から逆算されるべきものだ。(「価値観」についてはコチラ
人生の最終目標から遡って、新人である自分に割り当てられた仕事がどんな意味を持つのかを考える必要がある。f:id:kshinagawa:20160828155858p:plain

自分で考えてもわからなければ、先輩にでも上司にでも聞いてみるといい。
「新人はそういうものだよ」という答えではなく、その仕事が持つ意味を真剣に説明してくれる人は信頼してよいと思う。

ただし、最終的な「意味付け」は自分自身で行わなければ意味がない。
なぜなら、付与される「意味」はその人の価値観(人生の最終目標)によって異なり、自分と上司とでは価値観が異なるからだ。


考えぬいた結果その仕事の意味が腹落ちしないようであれば、そもそもその環境に身を置くべきかをよく考えたほうがいい。
「新人時代の仕事の意味は数年後にわかる」という考え方もあるだろうが、勝率を上げるのにベストな思考方法とはいえないと思う。


反対に、自分の価値観に照らして少しでも積極的な意味を付与できるのであれば、どんな雑用であっても全力で取り組むべきだ。

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翻って、経営者になることを目指してLiBに入った僕が、新規開拓の営業をやることにどんな意味があるのだろう?


今のところ、「経営者」と「営業職」をつなげるキーワードは、意思実現力だと考えている。
営業は、他者に影響を与え、自らの意思を実現する力を鍛える絶好の舞台だ。
そしてそれは、間違いなく経営者に不可欠な能力でもある。

このあたりのことは、別の機会にじっくり書いてみたいと思います!

 

弁護士の道を捨て、ベンチャーに入った本当の理由(後編)

 

前回(前編)は弁護士事務所を辞めると決めた理由を書いたので、今回は、LiBに入ると決めた理由について書いてみたいと思う。
 
前回書いたとおり、
 
「挑戦の舞台が見つかるまで、法律家の道で全力を尽くす。
 舞台が見つかったら、迷わず飛び込む。」
 
と決めた後、僕は東京で弁護士として働く傍ら、次の「舞台」を探すため、週末にベンチャー企業の経営者の方々に自分の現状を話してアドバイスをもらうということを繰り返していた。
そんな活動の一環として、LiBの社長(松本さん)とも話する機会を得た。週末朝のスタバだった。
 
 
※         ※         ※
 
 
その時は、出会って15分くらいで一気に深い話が始まったのをよく覚えている。
その後何度か話を重ねていくうちに、だんだんとLiBに惹かれていった。
理由はいくつもあるけれど、次の4つのポイントが大きかったように思う。
 
①社長の哲学と人格
ベンチャー企業にとって、社長の人格は組織の人格であり、社長の哲学は組織の哲学になると思っている。
僕は松本さんの哲学に惚れたし、人格を信じた。
人生観において、自分と重なり合う部分がとても大きいと感じた。
そんな人の下で働きたいと思った。
 
②事業テーマ
現在のLiBが取り組んでいる「女性」にフォーカスした事業テーマに、ぐっと心惹かれた。
社会の視点では、高齢者と若者の人口ギャップが大きくなり続けている現在の日本で、女性が活躍することの意義は大きい。
個人の視点では、意欲ある女性がその人に合った働き方を手にすることで、より充実した人生を切り拓けると思う。
このテーマに挑戦し、自分たちの手で「未来の当たり前」を作ることができたらどんなに素晴らしいだろうとワクワクした。
 
③成長性と実行力
松本さんとの会話を通して、僕の4つの価値観(前編参照)を実現させるための一番の方法は、自ら経営者になることだと認識するようになった。
そのためには、「(まだ大きくないけれど)これから急激に伸びる組織」に入り、その急成長を体感するのが最も近道なのではないかという仮説を立てた。
LiBには成長性を感じたし、何より理想を現実に変える実行力が備わっていると思った。
 
④学びの多さ
経営には、ロマンとソロバンが必要らしい。
これまでの様々な経験を通して、僕の「ロマン」はある程度熟してきていた。他方で、「ソロバン」については知識も経験も全く無い。
LiBの経営陣の経歴と人間性を知れば知るほど、ここでソロバンもみっちり鍛えることができると思えた。
ここでなら多くを学び、再現性につながる「正しい努力」ができるができるのではないかと思った。

 

※         ※         ※
 
 
このような理由から、LiBが自分の価値観に合致した場所かもしれないと思うようになっていった。
ただ、すぐに他の可能性を捨てて、「LiBに行こう!」と決めることはできなかった。
「もしかするとここより良い企業があるのでは?」という思いをしばらくは拭いきれなかった。
 
そんな迷いの最中にあった頃、以前、
 
「LiBは価値創造コミュニティを目指している」
 
という話が話題に登ったことを思い出した。
 
事業は時代とともに変化し、やがて廃れていく。
50年後、100年後、きっと今のLiBの事業はなくなっているだろう。
だからこそLiBは、時代を経てもなお生き続けるような文化や風土、DNAを作りたい。
そんな話だった。
 
僕の理解では、LiBは「女性の活躍を支援する会社」ではない。
LiBは「価値創造コミュニティ」を作っている会社だ。
 
「価値創造コミュニティ」って何だ?
それは、「あるべき未来」を形にするため様々な「価値」を創り出す人間の集まりのことだと思う。
その時代に必要とされる新しい事業を創り出す人たちが集う「場」のことだと思う。
 
現在LiBが手がけている事業は、会社の「長男坊」に過ぎない。
これから次男坊、三男坊がどんどん生まれてこなければいけないんだ。
それは必ずしも、「女性」に関わるものである必要はない。
 
100年後、僕らが天国から地上を見下ろしている。
僕らが作った事業はなくなっているが、僕らが残したDNAは生き続け、LiBというコミュニティで多様な人々が新しい事業作りに励んでいる。
こんな光景を眺めることができたら、とってもステキだ。
 
 
※         ※         ※
 
 
「LiBは価値創造コミュニティを目指している」
 
この言葉が、迷っていた僕の背中を押してくれた。
自分もLiBという舞台で、新しい「価値=事業」を創ることに挑みたいと思った。
それが自分の人生を叶える道だし、LiBが目指すところでもあるはずだ。
 
たしかに、世界には魅力的な企業がゴマンとあるのだから、他にもっと良い選択があるかもしれない。
より革新的で、インパクトの大きい事業があるかもしれない。
LiBの事業は本当はイケてなくて、ビジネスに疎い僕にはそれが見えていないだけかもしれない。
 
でも、「まぁそれならそれでいいや」と思えた。
 
「心惹かれることをしよう。心の声に従おう。」
 
と決めたのは僕自身だ。
これだけ調べきって考え抜いた結果、圧倒的に心惹かれるんだから、仕方ない。
それでダメだったとしても、後悔しようがないと気づいた。
何かを信じられた時、「悪い結果に終わったら後悔する」という可能性がゼロになることを知った。
 
ぐっと腹の底に力が入った。
妻にも「おもしろそう!」と言ってもらえた。(よかった!)
最後は運命を信じることにした。
 
こんな理由で、僕はLiBに入ると決めた。
 
(おわり)
 
 

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